私が「エヴァンゲリオン」を初めて観たのは大学生の時だった。
当時、大学進学で上京していた私はその当時、ちょっとした社会現象にもなっていたエヴァンゲリオンを深夜のテレビで一気に観ることになり、すぐにその面白さと奥深さに引き込まれることになった。
そして、私が長年に渡って観続けて来たその壮大な物語がようやく結末を迎えた。
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当初は2020年6月27日に公開予定だったこの作品。だが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けて、2021年1月23日に変更となった。しかし、公開直前に2回目の緊急事態宣言が出されたため、最終的な公開日は2021年3月8日となった。
そして、映画館での上映が7月に終わったばかりにもかかわらず、異例の早さで2021年8月13日からAmazon Prime Videoでの配信が開始された。
今回はコロナ禍のため、海外の映画館で公開する代わりに配信を選んだとのことらしいが、7月に映画館での上映が終わったばかりの作品が翌月には動画配信サービスで配信されるという話は今まで聞いたことがない。しかも「エヴァンゲリオンの完結編」という超大作がである。
最近はマーベルの「ブラック・ウィドウ」など映画館と動画配信サービスの同時公開という作品やクリス・プラットの「トゥモロー・ウォー」など、当初は映画館での公開を予定していた作品がコロナ禍で公開できなくなってしまったため、動画配信サービスでの公開となったという作品もある。今後さらにコロナ禍が続くと映画はもはや映画館で観るものではなく、動画配信サービスで観るものに変わっていくのかもしれない。
この作品は前作で友人の死をきっかけに心を閉ざしてしまった少年が、周りの人たちに支えによって立ち直り、人類の存亡をかけて父親と戦う物語である。
碇シンジ君、父親に息子ができることは肩をたたくか、殺してあげることだけよ。
ミサトさんのこのセリフが心に刺さった。
結局、最後までシンジのことを見捨てなかったのはミサトさんだった。
身を挺してシンジのことを守り、自らの命をかけてシンジの元へヴィレの槍を送り届けた。
ミサトさんがヴンダーで特攻するシーンでは思わず目頭が熱くなった。
新劇場版シリーズの製作発表の際の所信表明文で庵野監督はこのようなことを述べている。
「エヴァ」はくり返しの物語です。
すべての伏線を回収した素晴らしい完結編だったと思う。
さすがにもうこれ以上はくり返されることはないだろうが、くり返されてもまた観たいと思えるような作品だった。
配信直後にSNSでも話題になっていたが、この作品は「字幕つき」で観ることをオススメする。
その方が映画館では何と言っているのかが分からなかった部分がはっきりと分かってより楽しめると思うからだ。
そして、観終わってしばらくの間は宇多田ヒカルさんの「One Last Kiss」をつい口ずさんでしまうと思う。
▼作品データ
<製作年>
・2021年
<製作国>
・日本
<総監督>
・庵野秀明
<監督>
・鶴巻和哉・中山勝一・前田真宏
<音楽>
・鷺巣詩郎
<テーマソング>
・宇多田ヒカル「One Last Kiss」「Beautiful World (Da Capo Version)」
<上映時間>
・155分
<出演>
・緒方恵美(碇シンジ)
・林原めぐみ(綾波レイ/アヤナミレイ)
・宮村優子(式波・アスカ・ラングレー)
・坂本真綾(真希波・マリ・イラストリアス)
・三石琴乃(葛城ミサト)
・山口由里子(赤木リツコ)
・石田彰(渚カヲル)
・立木文彦(碇ゲンドウ)
・清川元夢(冬月コウゾウ)
・関智一(鈴原トウジ)
・岩永哲哉(相田ケンスケ)
・岩尾潤子(鈴原ヒカリ)
・長沢美樹(伊吹マヤ)
・子安武人(青葉シゲル)
・優希比呂(日向マコト)
・大塚明夫(高雄コウジ)
・沢城みゆき(鈴原サクラ)
・大原さやか(長良スミレ)
・伊瀬茉莉也(北上ミドリ)
・勝杏里(多摩ヒデキ)
・山寺宏一(加持リョウジ)