【映画】ウィズアウト・リモース

「トゥモロー・ウォー」と同じく当初は劇場公開の予定だったが、コロナ禍のために断念され、Amazon Prime Videoでの独占配信となったこの作品。

トム・クランシー原作の「ジャック・ライアン」シリーズのスピンオフ作品とのことだが、予備知識が無くても十分に楽しめた。



ウィズアウト・リモース

この作品の見どころはマイケル・B・ジョーダンのアクションである。

映画の冒頭から「MGS(メタルギアソリッド)」や「COD(コールド・オブ・デューティ)」の実写版を観ているかのようだった。「クリード チャンプを継ぐ男」や「ブラック・パンサー」でも見せたマイケル・B・ジョーダンの惚れ惚れするほど鍛え上げられた肉体。そして、その肉体が織りなすまるでリアルな戦場にいるかのような迫力ある戦闘シーンがこの作品の一番の見どころである。特別な訓練を受けて撮影に臨んだという戦闘シーンは迫力満点だった。



また、一番裏切りそうな奴が実はものすごく良い奴で、一番頼りにしていた奴が実は黒幕だったというストーリー構成も良かった。

だが、なぜ、主人公が標的になったのか、そして、なぜ、黒幕が裏切ったのかについての説明があまりにも無さ過ぎた。

それらの重要な部分がほとんど描かれておらず、物語の終盤で死んだと思われていた主人公が突然、黒幕の元に現れて「お前が裏切っていたという証拠をつかんだ!」と言ってあっという間に黒幕をやっつけてしまうので、感情移入ができず、おいていかれたような気持ちになってしまった。

それらの部分が物語の中できちんと描かれていればもっと面白い作品になっていたはずである。アクションがキレキレなだけに非常にもったいなかった。

計画では2部作の構成であり、この作品はその第1作目らしいが、Rottten Tomatoesにおける批評家の評価もあまり高くはないのでひょっとしたら続編はないかもしれない。

ただし、何度も言うようにマイケル・B・ジョーダンのアクションだけは一見の価値があると思う。


▼作品データ
<原題>
・Tom Clancy's Without Remorse
<製作年>
・2021年
<製作国>
アメリ
<監督>
・ステファノ・ソリマ
<上映時間>
・109分
<出演>
マイケル・B・ジョーダンジョン・ケリー/ジョン・クラーク)
ジェイミー・ベル(ロバート・リター)
・ジョディ・ターナー=スミス(カレン・グリア少佐)
・ローレン・ロンドン(パム・ケリー)
・ブレット・ゲルマン(ヴィクトル・ルイコフ)
・ジェイコブ・スキピオ(ハチェット)
・ジャック・ケシー(サンダー)
・コールマン・ドミンゴ(ウエスト牧師)
・ガイ・ピアーズ(クレイ国防長官)
・トッド・ラサンス(ダラス)
・カム・ジガンデイ(キース・ウェップ)
・ルーク・ミッチェル(ローディ・キング)
ルーシー・ラッセル(ディラードCIA長官)