【映画】アルゴ


この映画は実際に起こった出来事を描いた作品らしいのだが、恥ずかしながらこの映画を観るまでこんな事件があったことすら知らなかった。

「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるが、小説や映画などのフィクションの世界でも実際にこんな計画を考えつく人はいないだろう。

ありきたりな表現になってしまうが、始まったとたんにグイグイと話に引き込まれてしまう、まさにそんな映画だった。



この作品は1979年のイランアメリカ大使館人質事件における外交官6人の救出劇を描いた映画である。

冒頭の流れるような展開が本当に素晴らしい。

簡単な状況説明が終わると一気に緊迫した場面に切り替わる。

デモ隊がシュプレヒコールをあげながらアメリカ大使館を取り囲んでいる。大使館の中の人たちは外の群衆たちが今にも建物の中になだれ込んでくるのではないかと気が気ではない。

デモ隊のシュプレヒコールは一向に治まる気配はない。むしろさらに熱を帯びていき、やがて堰を切ったように建物の中にデモ隊がなだれ込んで行く。間一髪で6人の外交官たちはカナダ大使の公邸に逃げ込む。

私はここで一気に心をつかまれた。ドキドキが止まらなかった。

そして、前代未聞の救出作戦が開始されるのだが、この作戦というのがすごかった。

この作戦はアメリカ人だから思いついたのであって、アメリカという国だから実行できたのだろう。おそらく、アメリカ以外にこの作戦を実行できる国はないだろう。

映画の最後に流れる実際のカーター元大統領のコメントがこの救出作戦を実行するのがいかに困難であったかを物語っている。

第85回アカデミー賞でも作品賞・脚色賞・編集賞の3部門を受賞しているこの作品はベン・アフレックの監督としての力量も感じられる作品だった。


▼作品データ
<原題>
・Argo
<製作年>
・2012年
<製作国>
アメリ
<監督>
ベン・アフレック
<上映時間>
・120分
<TOMATOMETER>
・96%
<第85回アカデミー賞
・作品賞
・脚色賞
編集賞
<出演>
ベン・アフレック(トニー・メンデス)
ブライアン・クランストン(ジャック・オドニール)
・アラン・アラキン(レスター・シーゲル)
ジョン・グッドマンジョン・チェンバース
・ビクトール・ガーバー(ケン・タイラー)
・テート・ドノバン(ボブ・アンドレス)
・クレア・ドュバル(コーラ・リーク)
・スコット・マクナリー(ジョン・スタンフォード
・ロニー・コクレネ(リー・ショルツ)
・クリストファー・デンハム(マーク・リーク)
・ケリー・ビスヘ(キャシー・スタンフォード
キール・チャンドレア(ハミルトン・ジョーダン)
・クリス・メシア(マリノブ)
・ジェレコ・イバレク(ロバート・ペンダー)
・テテウス・ベリバー(バイツ)
・ボブ・ガントン(クリウス・バンス)
リチャード・カインド(マックス・クライン)