鑑賞後、まるでトリックが秀逸な推理小説を読み終わった後のような気持ちになった。
スターウォーズやマーベルような超大作ももちろん面白い。しかし、こういうお金をあまりかけていない通好みというか、知ってる人は知っている的な映画も私は好きだ。
絶対にハリウッドでリメイクされるだろうと思ったらとっくにリメイクされていてNetflixで配信されていた。
この映画は一人の警察官がある誘拐事件の捜査に臨む様子を描いた物語である。
何らかの理由で現場の捜査を離れ、今は緊急通報司令室でオペレーターの業務に就いている警察官のアスガー。
彼がある電話を受けるところからこの物語は始まる。それは今まさに誘拐されているという女性からの電話だった。
電話の声と位置情報だけを頼りに捜査を進めて行くアスガー。最初は元夫の妻に対する単純な誘拐事件だと思われたが、やがて事件は思いもしない方向へと展開して行く。
この状況だけでも私はドキドキが止まらなかったのだが、さらに終盤のたたみかける展開が圧巻だった。
途中から「あれっ、何か変なこと言い出したなぁ」とは思いながら観ていたのだが、それから間もなく劇中のアスガーと同様に自分もすっかり勘違いしていることに気が付いてハッとさせられてしまった。
この展開は全く予想できなかった。そして、最後にアスガーが何をしたのかも明かされるのだが、これもまた衝撃的だった。
ラストシーンでアスガーが誰かに電話をかける。一体、誰に電話をかけていたのだろうか。そして、何を話していたのだろうか。観終わった後、気になって仕方なかった。
▼作品データ
<原題>
・Den skyldige
<製作年>
・2018年
<製作国>
・デンマーク
<監督>
・グスタフ・モーラー
<上映時間>
・88分
<出演>
・ヤコブ・セーダーグレン(アスガー・ホルム)
・イェシカ・ディナウエ(イーベン)
・オマール・シャガウィー(ラシッド)
・ヨハン・オルセン(ミカエル)
<第91回アカデミー賞>
・外国語映画賞デンマーク代表
<TOMATOMETER>
・98% ※2021年10月31日現在