【映画】「浅草キッド」は劇団ひとりのビートたけしへのリスペクトが込められた映画だった!

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私はビートたけしが漫才をしている姿をオンタイムで見たことがない。

私が物心ついた時にはすでに彼はお茶の間の人気者だった。初めてテレビで見たのはおそらく「元気が出るテレビ」だったと思う。もうその時は「漫才ブーム」はとうの昔に過ぎ去っていてビートたけしは漫才師としてではなくマルチタレントとしてテレビに出ていた。

元気が出るテレビ」は本当に面白い番組だった。当時の私は毎週日曜日の夜8時から文字通り「腹を抱えて」笑っていた。だが、その当時も私はビートたけしではなくとにかくやたらとボケまくる高田純次の方が好きだった。

そのビートたけしの誕生秘話を描いた映画が「浅草キッド」である。


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この映画はとにかくキャストが素晴らしい。

大泉洋柳楽優弥門脇麦、そして、「ナイツ」の土屋伸之。これらの俳優をキャスティングした時点でこの映画のヒットは約束されていたのではないかと思う。

特に柳楽優弥に関しては最初は違和感があったものの、物語が進むにつれて本物のビートたけしのように見えてきた。映画が終わる頃には若い頃のビートたけしはきっとこういう感じだったのだろうと何の違和感もなく思えた。

そして、良い味を出していたのが「ナイツ」の土屋伸之。メガネを外していたので正直、最初は誰だか分からなかった。だが、ビートきよしという役を演技派俳優たちの中にあって、目立ち過ぎず地味過ぎずぐらいのちょうどいい演技で演じていた。

この映画を観ながら感じたことは監督の劇団ひとりビートたけしに対するリスペクトである。ビートたけしという芸人への尊敬の念がこの映画には目一杯込められている。

この映画を観てから曲の方の「浅草キッド」を聴くと当時の状況がありありと思い浮かんでくる。

そして、芸人ではないのにまるで自分が芸人になったような感じがして本当に心に染みる。

さらにエンディングロールで流れる桑田佳祐の「Soulコブラツイスト」はそれに輪をかけて心に染み入ってくる。この映画にピッタリの曲である。

ビートたけしという芸人の真のものすごさがわかる素晴らしい映画だった。


▼作品データ
<製作年>
・2021年
<製作国>
・日本
<上映時間>
・123分
<監督・脚本>
劇団ひとり
<原作>
ビートたけし浅草キッド
<出演>
大泉洋深見千三郎
柳楽優弥ビートたけし
門脇麦(千春)
土屋伸之(キヨシ)
鈴木保奈美(麻里)