【映画】「サマリタン」

先日、22歳年下の妻から三行半を突き付けられたというニュースがあったシルベスター・スタローン

御年76歳で34年間連れ添った妻から離婚を切り出される心境というのは一体どのようなものなのだろう。

そして、その76歳で妻から離婚を切り出されたスタローンが主演するのが今回の映画「サマリタン」である。

「サマリタン」とは「ルカの福音書」の「善きサマリア人のたとえ」の話の中に出てくるサマリア人のことを表している。

この映画はある少年の勘違いから始まる。

この少年の勘違いによって私たちも最初からある先入観を持たされたまま映画を観ることになる。これがこの映画の重要なポイントである。

この冒頭からある先入観を持たされる手法のことを具体的に何というのかは知らないが、M・ナイト・シャマラン監督の映画「シックス・センス」やデンマーク映画の「ギルティ」などでも同じような手法が用いられている。

私たちは少年を通して途中から自分たちが勘違いをしていることに気付かされる。この勘違いに気付かされる場面がこの映画の最大の見せ場だ。私もこの心地良い勘違いを大いに堪能した。

それにしてもとても76歳とは思えないスタローンの身体つきやアクションはさすがだった。それだけでもこの映画には一見の価値があると思う。

ぜひ、スタローンにはクリント・イーストウッドのように90歳を過ぎても現役バリバリでいて欲しい。まあ、私ごときが心配しなくても今のままだったら大丈夫だとは思うのだが……。

最後に"サマリタン"ことジョーがサム少年に伝えるセリフの中で私にもとても身に染みたものが2つあったのでここに抜き書きしておくことにする。

僕は怖いと逃げたくなるよ
でも固まっちゃう


逃げるのは賢いぞ
殴り合いはくだらん
人生に関係のない奴と戦って命を落としたらー
バカバカしいだろ
お前の考えは間違っちゃいないさ

サム 1つ言っておく
悪事を働くのが悪党だけなら倒すのは簡単だろう
だが、現実にはー
誰の心にも善と悪の両方があるんだ
正しい決断をするかは自分次第だよ
お前は大丈夫

<原題>
・Samaritan
<製作国>
アメリ
<公開年/配信年>
・2022年
<上映時間>
・1時間42分
<監督>
・ジュリアス・エイバリー
<出演>
シルベスター・スタローン(ジョー)
・シャボン・"ワナ"・ウォルトン(サム・クレアリー)
・ピルウ・アスベック(サイラス)
・ダーシャ・ポランコ(ティファニー・クレアリー)
・ソフィア・テイタム(シル)
<配信サイト>
Amazon Prime Video