【映画】アル・パチーノの演技に痺れる「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」

校長先生の車に学生がいたずらをしたからといってその事件の犯人ではなく、目撃者を公開処刑のような全校集会を開いて晒し者にするのはいくら何でもやり過ぎだと個人的には思うのだが、それを言ってしまっては物語は始まらない。

ただし、この映画に関しては作品における「物語」のウエイトはそれほど高くはないように思える。

それはこの映画はただただひたすらに名優「アル・パチーノ」の熟練された演技を堪能する映画だからだ。

ギャング役も良いが、人間味溢れる全盲の退役軍人を演じたこの映画の「アル・パチーノ」の演技は本当に素晴らしい。

ワンシーンしか登場しないがガブリエル・アンウォーの瑞々しい佇まいにしばし酔いしれ、全編を通して「アル・パチーノ」の集大成とも言える演技を堪能する。これはそんな映画である。


●作品データ
<原題>
・Scent of a Woman
<製作国>
アメリ
<公開年>
・1993年
<上映時間>
・2時間37分
<監督>
マーティン・ブレスト
<出演>
アル・パチーノ(フランク・スレード中佐、全盲の退役軍人)
クリス・オドネル(チャーリー・シムズ、名門ベアード高校の苦学生
ジェームズ・レブホーン(ベアード高校の校長)
フィリップ・シーモア・ホフマン(ジョージ・ウィリス・Jr、シムズの同級生)
・ガブリエル・アンウォー(ドナ)
<受賞>
・第65回アカデミー賞主演男優賞
<評価>
★★★★