【映画】グリーンブック

「グリーン・ブック」

アメリカ合衆国が人種隔離政策時代の1930年代から1960年代に、自動車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行されていた旅行ガイドブックである。

黒人ドライバーのためのグリーン・ブック - Wikipedia

1962年、ニューヨーク。
人気ナイトクラブの「用心棒」として働いていたトニー・リップはクラブの改装工事のため仕事を失ってしまう。
そんな時、トニーのところに知り合いから電話がかかってくる。

「どこかのドクターが運転手を探しているって話だ」



グリーンブック(字幕版)

  • 主人公がとにかくタバコを吸いまくる

この映画の見どころの一つは主人公であるトニー・パロレンガのタバコの吸いっぷりです。

話をしている時、

食事をしている時、

お酒を飲んでいる時、

車を運転している時、

とにかくいつでもタバコを吸っています。

で、吸わない僕が観ていても吸いたくなるくらいとてもおいしそうに吸います。

トニー・バロレンガを演じるヴィゴ・モーテンセンはかつて映画「ロード・オブ・ザ・リング」でアラゴルンを演じたアメリカの俳優さんです。

ですが、この映画ではそんなヒーローを演じた面影すら感じさせないほど、腕っ節が強くて、細かいことは気にしない的な中年おやじのイタリア系アメリカ人を完璧に演じています。

日本だったらこんな感じでタバコを吸ったら周りからのヒンシュクを買いまくってしまうでしょうが、とにかくタバコを吸う姿が様になりすぎていて、惚れ惚れしちゃいました。

  • ドクターが高潔すぎる

黒人ピアニストのドクターは高潔な人物です。あれほどの差別を受けながらも毅然とした態度で対処して、決して暴力に訴えようとはしません。

最初、トニー自身も黒人に対する差別意識を持っていましたが、ドクターのあまりにも高潔な精神に触れてドクターに尊敬の念を抱くようになります。

黒人に対する差別に満ち溢れていた時代にあのような高潔な精神で差別に毅然と対処していた人物がいたとは信じられないほどです。

  • やっぱり最後は奥さん

トニーの奥さんのリンダがとにかくチャーミングです。

黒人に対する差別意識などは全く持っておらず、誰に対しても優しく接することができる女性です。

しかも、夫を熱烈に愛していて、旅先からの夫からの手紙を心待ちにしている様子はチャーミング以外の言葉が見つかりません。

でも、リンダはすべてを見抜いていました。

トニーがドクターを自宅のパーティーに招いた時に奥さんがドクターに言った言葉には痺れました。

この映画は典型的な「バディムービー」です。

未だにアメリカでは黒人に対する差別が厳然としてあり、最悪の場合、それが原因で命を落としてしまう人たちがたくさんいます。

黒人に対する差別が世の中に蔓延していて、黒人が車で旅行するためにはそのためのガイドブックが必要だった時代に現実にあんな二人がいたという事実を知れただけでも、嬉しい気持ちになりました。


▼作品データ
<原題>
・Green Book
<製作年>
・2018年
<製作国>
アメリ
<監督>
・ピーター・ファレリー
<上映時間>
・130分
<出演>
ヴィゴ・モーテンセン(トニー・"リップ"・バロレンガ)
マハーシャラ・アリ(ドクター・ドナルド・シャーリー)
・リンダ・カーデリーニ(ドロレス・バロレンガ)
<受賞>
アカデミー賞作品賞
アカデミー賞助演男優賞マハーシャラ・アリ
アカデミー賞脚本賞