【映画】運び屋

2005年のイリノイ州ピオリア、

大きな農場にデイリリーがいっぱいに咲き乱れています。

農場の主であるアール・ストーンはデイリリーの品評会に自慢の花を持って颯爽と登場。

顔見知りの参加者たちと軽口を交わしながら、会場内を巡ります。

インターネット販売のブースでは

「インターネットは嫌いだ」

と一言。

会場でアールが花を配り始めるとたちまち人が殺到します。

育てた花は品評会で金賞を受賞。

アールは自分の娘の結婚式も行かずに受賞後のパーティーを楽しんでいます。

12年後…

農場は荒れ果て、建物には「差し押さえ」の看板が見えます。

「インターネットに潰された」

仲間たちに別れを告げ、アールは逃げるように車に乗り込みます。

向かった先は孫娘の婚前パーティ。

孫娘はやさしくアールを迎えてくれますが、娘は姿を見るなり顔をしかめ、妻からは激しく罵られます。

意気消沈して退散しようとするアールに男が声を掛けます。

「町から町へ走るだけで金になる仕事がある」



運び屋(字幕版)

宣言・媚態・とりとめのない空想・苦しみからの解放・一夜の恋・憂いを忘れる・微笑・愛の忘却

デイリリーの花言葉

俳優引退を撤回し「グラン・トリノ」から10年ぶりにクリント・イーストウッドが監督・主演を兼任したのがこの映画です。

グラン・トリノ」で演じた厳格な元自動車工のウォルト・コワルスキーとは対照的な家庭のことを顧みずに各地での品評会や人付き合いに奔走するアール・ストーンを演じています。

これまで全く家庭の事を顧みなかった男が麻薬の運び屋の仕事を通して、最後の最後に家族との絆を取り戻していく様子が描かれていきます。
ただし、その結末はあまり観ていてあまり心地良いものではありません。

ブラッドリー・クーパー演じる捜査官が運び屋を捜索している場面ではドキドキしながらも「早く見つけてくれ、そこにいるぞ」と願ってしまいました。

最後の最後に家族のために生きた男の結末にしてはちょっとだけ可哀想な気がしました。

あと、娘役を演じていたのは本当の娘さんだったんですね。


▼作品データ
<原題>
・THE MULE
<製作年>
・2018年
<製作国>
アメリ
<監督>
クリント・イーストウッド
<上映時間>
・116分
<出演>
クリント・イーストウッド(アール・ストーン)
ブラッドリー・クーパー(コリン・ベイツ捜査官)
・ローレンス・フェッシュバーン(主任捜査官)
マイケル・ペーニャ(トレビノ捜査官)
アンディ・ガルシア(ラトン)
・イグナシオ・セリッチオ(フリオ)
・アイリス(アリソン・イーストウッド