【映画】ザ・タウン


●作品データ
<原題>
・The Town
<製作国>
アメリ
<公開年>
・2010年
<上映時間>
・2時間4分
<監督>
ベン・アフレック
<原作>
・「強盗こそ、われらが宿命」チャック・ホーガン
<出演>
ベン・アフレック(ダグ・マクレイ、強盗団のリーダー)
レベッカ・ホール(クレア・キージー、銀行の支店長)
ジョン・ハム(アダム・フローリー、FBI捜査官)
ジェレミー・レナー(ジェームズ・"ジェム"・コフリン、強盗仲間)
ブレイク・ライブリー(クリスタ・コフリン、ジェムの妹、ダグの元恋人)


●あらすじ
舞台はボストンの一角で肉体労働者の街、チャールズタウン。銀行強盗と現金輸送車強盗が世界で一番多い街である。

この街では銀行強盗は職業のように父から子へ受け継がれていく。そんな街で主人公のダグも仲間たちとともにケンブリッジ銀行を襲っていた。

すべてが計画通りに順調に進んでいた。あとは盗んだ金を持って逃げるだけだった。だが、金庫を開けた支店長のクレアがダグたちの目を盗んで無音警報を鳴らしたため、包囲された時の人質として例外的に支店長のクレアを連れて逃げることなった。

免許証を取り上げて人質となった支店長のクレアを解放したものの、ダグの仲間のジェムは彼女がFBIに何かを話すのではないかと気が気でない。

苛立つジェムを落ち着かせるためにダグがクレアの監視を申し出る。最初は遠くから見守るだけのつもりだったのだが、コインランドリーでクレアから話しかけられたのをきっかけにダグはクレアから銀行強盗に遭った話をされる。

一方、FBIのアダムは執拗な捜査でダグたちこそがケンブリッジ銀行を襲った犯人ではないかと疑いの目を向ける。

銀行強盗の話を聞いているうちにダグはタウンの外から来たクレアに徐々に惹かれていく。そして、ジェムの心配は杞憂ではなかった。クレアは強盗の1人の首筋に「ファイティグ・アイリッシュ」のタトゥーが入っているのをしっかりと目撃していたのだった。

クレアに惹かれていくダグ。クレアの車を壊した男たちの話を聞いたダグはジェムと一緒に車にガラス瓶を投げつけた男たちを叩きのめす。

アダムは捜査が進むに連れてダグたちこそが銀行強盗の犯人だという確信を深めていく。

ダグとクレアが食事をしているところにたまたまジェムがやってくる。ダグはクレアがジェムの首のタトゥーに気が付くのではないかと気が気ではない。とっさの判断で何とかクレアに気付かれずに済んだダグだったが、ジェムから「どういうつもりだ。俺たちを売るつもりなのか」と詰め寄られ、次のヤマの準備を急かされてしまう。

刑務所にいる父親に面会しに行くダグ。「なぜ母親がいなくなった時に捜さなかった」と尋ねる息子に対して「そもそも捜すものがなかった」とはぐらかす父親。

辛くも次のヤマである現金輸送車強盗をやり遂げたダグとその仲間たち。だが、これをきっかけにアダムの追求はさらに執拗さを増して行く。やがて盗聴した携帯電話の会話からダグがクレアと会っていることを突き止めるアダム。ついにアダムはクレアにダグこそがあの時金庫を開けさせた張本人なのだと告げる。

一方その頃ダグはジェムから新しいヤマを持ちかけられていた。もう強盗はせずにこの街を出て行きたいと言うダグに対して必死に引き止めるジェムだったが、ダグはジェムを振り切り強盗の元締めのファーギーの花屋へ赴き、紹介されたヤマを断ろうとする。

断ろうとするダグに対して「お前の父親も俺に逆らったからお袋にヘロインを覚えさせたのだ」と告げるファーギー。「お前の母親はヘロイン中毒になって道で首を吊ったのだ」とダグに衝撃の事実を告げる。さらにクレアに危害を加えることをちらつかせて脅しをかけるファーギー

急いでクレアの元へ駆けつけるダグ。だが、FBIからダグの話を聞いたクレアはダグの話に耳を貸そうとはしない。ダグは渋々ファーギーのヤマをを引き受けることにする。

ファーギーのヤマとはレッドソックスとメッツの4試合分の売上金350万ドルをフェンウェイ・パークから盗み出すという計画だった。

何とかダグたちの逮捕の糸口をつかみたいアダムはジェムの妹でダグの元恋人でもあるクリスタに近付く。アダムからダグがクレアにダイヤのネックレスを贈られたことを教えられ嫉妬に駆られるクリスタ。ダグに直接会って問い詰めてみたものの相手にすらされない。

計画通りに売上金を盗んで球場を出ようとするダグたち。だが、クリスタの密告によって球場の周りは大勢の警察たちに囲まれていたのだった。

激しい銃撃戦の末、ダグとジェムは警察官に扮して球場の外へと逃げ出す。だが、ジェムはアダムに見つかってしまい命を落としてしまう。

ジェムが撃たれるのを目撃したダグはファーギーの花屋に向かい子分のラスティとファーギーを撃ち殺す。

クレアに無事を告げて街を去るダグ。クレアが花畑を掘ると中からダグから送られた手紙とお金が出てきた。「君なら有効に使える」というダグの言葉通り、クレアはそのお金でスケート場を再建する。

そして、ダグは遠い街で一人、クレアとの再会を願うのであった。


●感想
悲しくて切ないラブストーリーだった。これまで数々の犯罪に手を染めて来た男が街の外から来た女性と出会い、過去のしがらみをすべて断ち切って街の外での彼女との新しい生活を夢見て奮闘する様子が描かれる。

圧巻だったのはジェレミー・レナーの演技。絶対に敵には回したくないが、味方にしたらこんなに心強い男はいない。情には厚いが、自分と仲間のためには手段を選ばない。そんな男を圧倒的な存在感で演じていた。

個人的にはクレアを演じたヒロインのレベッカ・ホールよりもクリスタを演じたブレイク・ライブリーの方が夫のライアン・レイノルズがうらやましくなるくらい素敵だった。