【映画】男はつらいよ お帰り寅さん


男はつらいよ」シリーズ50周年記念作品であり、通算第50作目にあたるこちらの作品。
亡くなった父親が大好きだった「男はつらいよ」シリーズは私にとってとても思い出深い作品である。

それは私が幼い頃はお盆とお正月は家族で「男はつらいよ」を映画館に観に行き、その帰りに食事をするのが我が家の恒例行事だったからである。

この映画を観ながらそんな幼い頃の楽しかった出来事を思い出した。


男はつらいよ お帰り寅さん


物語は満男の夢から始まる。
満男が夢から覚めると、突然、桑田佳祐さんが登場して主題歌を歌い始める。

このシーンは山田洋次監督の桑田佳祐さんへの直接のオファーで実現したらしいが、昔ながらの「男はつらいよ」ファンとしてはこのシーンにはかなり違和感を感じた。

観ているこっちは寅さんが登場すると思っていたにもかかわらず、これまでの作品に一度も登場したことのない桑田佳祐さんが突然登場して主題歌を歌い始め、さらに口上を述べている姿には違和感しか感じなかった。

この映画で私が唯一ケチをつけるとしたらこのシーンである。オープニングの主題歌は寅さんのままでで良かったと思う。

オープニングが終わると場面は現在の「とらや」へ。
昔の面影を多少は残しているものの、私が知っているとらやではない。
おいちゃん、おばちゃん、タコ社長もいなくて、裏の印刷工場もない。
寅さんはまだ旅を続けている様子だが、そのことに若干の寂しさを感じた。

この作品はこれまでの「男はつらいよ」作品の総集編のような映画で寅さんは回想シーンでしか登場しない。
これらのシーンがまた「さすが山田洋次!」と言いたくなるほど、印象深いシーンばかりで、懐かしくて思わず涙が出そうになった。

男はつらいよの名場面集」または「寅さんの名言集」と言った感じのこの作品。
この作品を観てから昔の「男はつらいよ」シリーズを観てみるものいいかもしれない。

ちなみに私のオススメは第27作「男はつらいよ 浪速の恋の寅次郎」と第30作「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」である。
この作品のマドンナはそれぞれ松坂慶子さんと田中裕子さんだがどちらも本当にキレイだ。

特に田中裕子さんは私的には「男はつらいよ」史上ナンバー1のマドンナと言っても過言ではないと思うので、興味のある方はこちらもぜひ。



▼作品データ
<製作年>
・2019年
<製作国>
・日本
<監督>
山田洋次
<上映時間>
・116分
<出演>
渥美清(車寅次郎)
倍賞千恵子(諏訪さくら)
吉岡秀隆(諏訪満男)
後藤久美子(及川泉/イズミ・ブルーナ
前田吟(諏訪博)
池脇千鶴(高野節子)
夏木マリ(原礼子)
浅丘ルリ子(リリー)
・美保純(朱美)
桜田ひより(諏訪ユリ)