あのトム・クルーズが自宅で試写会をした後、監督に電話をかけて絶賛したというニュースも話題になった。
ロケットニュース24のライターである佐藤英典さんも「最高」としか言いようがない!と大絶賛していた。
DCEU(DCエクステンデッドユニバース)がジェームズ・ガン体制になって最初の作品。期待していたほどではなかったが、そこそこ面白かったというのが私の率直な感想だった。
冒頭からこれまでのスナイダーバース版のファンに対する配慮が十二分に感じられた。そして、このままベン・アフレックのバットマンを観ていたいと思った。これまでの作品をきちんと踏まえた上でちゃんとこれからの作品を作っていきますよ、というジェームズ・ガンの宣言のようにも思われた。
ただグラント・ガスティンのドラマ版「フラッシュ」を観ている人なら正直、話自体は特段目新しい感じはしないと思う。むしろ、ドラマ版を観ている人なら「前にも同じような話を観たことがある」と思ってしまうはずだ。私もドラマ版の焼き増しのような話に終盤は少し退屈してしまった。
マイケル・キートンのバットマンは良かった。老体に鞭打ってと言ったら失礼かもしれないが、ティム・バートン版そのままにたたずまいもガジェットもちょっとくたびれた感があるものの、締めるところはビシッと締めると言った感じでベテランの味を醸し出していた。
で、エズラ・ミラーのフラッシュなのだが、「ジャスティス・リーグ」の時はほかにもメインキャストがいたのであまり気にならなかったが、今回は、しかも2人もいたので違和感しか感じなかった。
私が思うにエズラ・ミラーはヒーローをやるには癖が強過ぎるのだ。甲高い声、自己完結する話し方、キョロキョロと落ち着かない視線、ベビーフェイスなのにマッチョと彼をヒーローと呼ぶには違和感があり過ぎるのである。それだけが残念だった。
とりあえず、これまでの作品をチャラにした上での仕切り直しの作品としては良かったと思う。
次のバットマンは誰が演じるのだろう。もうベン・アフレックのバットマンが観られないのが寂しい。
あれ?ということはジェシー・アイゼンバーグのレックス・ルーサーももう観られないということなのだろうか……
●作品データ
<原題>
・The Flash
<製作国>
・アメリカ
<公開年>
・2023年
<上映時間>
・2時間14分
<監督>
・アンディ・ムスエキティ
<出演>
・エズラ・ミラー(フラッシュ、バリー・アレン)
・サッシャ・カジェ(スーパーガール、カーラ・ゾー=エル)
・マイケル・キートン(バットマン、ブルース・ウェイン)
・カーシー・クレモンズ(アイリス・ウェスト)
・マイケル・シャノン(ゾッド将軍)